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商品開発コラム

商品のパッケージングにおいて、「結束テープ」はどのような役割を果たしているとお考えでしょうか。多くの人は、容器のフタが開かないように固定するための「単なる留め具」と捉えがちです。しかし、結束テープは消費者が商品を手にして最初に触れる部分であり、「開封」というユーザー体験(UX)に直結する非常に重要なパーツです。開けにくいテープは消費者にストレスを与え、せっかくの商品の評価を下げてしまう可能性があります。一方で、スムーズに開封でき、かつ衛生面や安全性に配慮されたテープは、商品そのものの付加価値を高め、企業ブランドの信頼向上に貢献します。さらに、製造現場での作業効率や、昨今重視される環境問題への対応など、結束テープが担う役割は多岐にわたります。

本コラムでは、お弁当や惣菜などの食品、あるいはPTPシートなどの医薬品のパッケージングに携わる開発・資材調達担当者様に向けて、商品の魅力を最大限に引き出すための「結束テープ選定のポイント」を詳しく解説します。また、単なる製品選びにとどまらず、ビジネスパートナーとして信頼できる「テープ製造企業の選び方」についても触れていきます。

結束テープ選定を成功に導く5つの基本ポイント

最適な結束テープを選ぶためには、機能性、安全性、デザイン性、環境配慮など、さまざまな角度から要件を検討する必要があります。ここでは、特に重視すべき5つの基本ポイントを解説します。

消費者のストレスをなくす「易開封性」と「作業性」

結束テープに求められる最大の機能は、「しっかりと商品を保護・固定すること」と「開けたい時に簡単に開けられること」という、相反する要件の両立です。輸送時や陳列時には決して剥がれたり切れたりしてはなりませんが、消費者がいざ食べる(使う)場面では、ハサミやカッターなどの刃物を使わずに、素手でサッと開封できることが理想です。

特に、高齢者や小さなお子様、あるいは外出先やオフィスでの昼食時など、道具が手元にないシチュエーションでは、素手で簡単にまっすぐ切れるテープが極めて高い利便性をもたらします。結束テープの強度と易開封性の絶妙なバランスを実現しているかどうかは、テープ選定における最も重要なポイントです。

商品の安全を守る「衛生面」と「粘着剤」の有無

一般的なセロハンテープや粘着テープを使用した場合、開封時に指に糊(粘着剤)がベタベタと付着したり、商品容器に糊の跡が残ってしまったりすることがあります。これは、消費者に不快感を与えるだけでなく、ゴミやホコリが付着する原因となり、衛生面で大きなマイナスとなります。

特に食品や医薬品を扱う場合、異物混入や衛生管理には細心の注意が求められます。そのため、粘着剤を一切使用せず、熱で融着させる「ヒートシールタイプ」の結束テープが推奨されます。ヒートシールタイプであれば、粘着剤が手に付くことも容器に残ることもなく、極めて衛生的でクリーンな状態を保つことができます。

食の安全・品質を保証する「いたずら防止(セキュリティ)機能」

小売店の店頭では、不特定多数の人が商品に触れる可能性があります。そのため、万が一悪意のある第三者によって商品が開封されたり、異物が混入されたりするリスクを防ぐ対策が不可欠です。

結束テープには、「一度開封されたら、元に戻すことができない」という不可逆性が求められます。透明なフィルムテープを用い、開封時にはテープ自体が切断される構造(易開封技術)を採用していれば、開封済みかどうかが一目で判別できるようになります。これにより、店頭商品へのいたずらや改ざんを未然に防止し、消費者に対して「この商品は未開封で安全である」という確かな安心感(タンパーエビデンス性)を提供することができます。

商品の魅力を引き立てる「透明性」と「オリジナル印刷」

パッケージデザインは、消費者の購買意欲を喚起する重要な要素です。色付きのテープや不透明なテープで商品をぐるぐると巻いてしまうと、せっかくの中身が見えなくなったり、美しい容器のデザインが損なわれたりしてしまいます。そのため、高い「透明性」を持つフィルムテープを選ぶことが、商品の視覚的魅力を保つカギとなります。

さらに、テープ自体をプロモーションやブランディングの媒体として活用する方法もあります。企業ロゴやブランド名、キャンペーン情報、あるいは「開封口はこちら」といった案内をテープにオリジナル印刷(特注印刷)できるサービスを利用すれば、他社製品との差別化を図り、商品の付加価値をさらに高めることが可能になります。

SDGs時代に求められる「環境への配慮」

近年、プラスチックゴミの削減やカーボンニュートラルの実現など、環境問題への対応はすべての企業にとって避けて通れない課題です。パッケージングにおいても、過剰包装の見直しや環境配慮型素材の採用が強く求められています。

容器全体を覆うシュリンクフィルムなどの「全面包装」から、容器を部分的に固定する結束テープによる「部分包装」へ切り替えることで、プラスチックの使用量を大幅に削減(省資源化)することができます。また、テープの印刷に植物由来のバイオマスインキを使用している製品を選ぶことで、CO2排出量の削減にも貢献できます。環境にやさしい資材の選定は、企業のサステナビリティ(持続可能性)への取り組み姿勢を示す重要な指標となります。

用途別・業界別で見る最適な結束テープの選び方

結束テープの用途は多岐にわたります。ここでは、「食品(お弁当・惣菜)」と「医薬品・理化学」の2つの主要な業界における、テープ選定の具体的なポイントを解説します。

食品業界(お弁当・惣菜容器・お菓子箱など)での選定ポイント

コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売されるお弁当や惣菜容器の帯封には、何よりも「消費者の利便性」が求められます。汁物やソースが入った容器を開封する際、力を入れすぎて中身がこぼれてしまったり、テープを切るために容器を裏返さなければならなかったりすると、大きなクレームにつながりかねません。そのため、容器をテーブルに置いたまま、上から素手でサッと真っ直ぐに切れるテープが最適です。また、食品を扱うため、粘着剤が容器に残らないヒートシールタイプの採用は必須と言えます。さらに、駅弁や高級弁当などでは、店舗ロゴなどを印刷したテープを使用することで、高級感やブランド価値を演出することができます。

医薬品・理化学業界(PTPシート・シリンジなど)での選定ポイント

医薬品の包装においては、安全性と生産効率の向上が至上命題です。例えば、錠剤やカプセルが入ったPTPシートを外装箱に詰める際、シートをバラバラの状態で入れるのではなく、複数枚をまとめて結束することで、箱詰め作業のトータルでの生産性が飛躍的に向上します。医薬品の結束においては、衛生面から「粘着剤が一切残らないこと」が絶対条件となります。また、医療現場での投薬時や、患者様自身が服薬する際にも、ハサミなどの道具を使わずに、必要十分な強度を保ちながらも簡単に手で開封できる機能が不可欠です。シリンジ(注射器)の外装や、高い安全基準が求められる医療分野では、厳格な品質管理体制のもとで製造されたテープを選ぶ必要があります。

テープ選びは「企業選び」 〜信頼できるパートナーの条件〜

結束テープを選定する際、単に「価格が安いから」「カタログスペックが良さそうだから」という理由だけで決めてしまうと、後々大きなトラブルに見舞われる可能性があります。「最適なテープを選ぶこと」は、「信頼できる製造企業(パートナー)を選ぶこと」と同義です。BtoB取引において、長く安心して付き合えるテープメーカーを見極めるための3つの視点をご紹介します。

開発元としての「確かな技術力」と「継続的な進化」

市場には様々な易開封テープが存在しますが、その技術を「自社で開発し、深く理解しているか」は重要なポイントです。例えば、易開封技術のパイオニアである企業は、単にテープを製造するだけでなく、刃物の素材や加工方法、傷の入れ方などを長年にわたり研究し、進化させ続けています。用途に合わせて開封設計を最適化できるノウハウ(例えば、切出し性、切れの伝播、応力の集中源のコントロールなど)を持っているか、あるいはBCP(事業継続計画)対策として製法をアップデートしているかなど、技術の根幹を握る「開発元」であることは、大きな安心材料となります。

専門部署による「課題解決力」と「オーダーメイド提案」

お客様が抱える課題は、「既存のテープが開けにくい」「デザイン性を高めたい」「機械適性が悪い」など、千差万別です。カタログに載っている規格品を販売して終わるのではなく、お客様の視点に立って課題を分析し、最適な解決策を提案できる体制があるかが重要です。

優れた企業には、「プロセス技術部」のような専門のエンジニア集団が存在します。彼らは、お客様からの要望に対して、実機を想定したサンプル作製や、各種機器を用いた品質解析・評価を行い、トラブルを未然に防ぐ検証を徹底して行います。現場で発生しうる予期せぬトラブルに対しても、「なぜそのようになるのか?」と仮説を立てて試行錯誤し、独自のカスタマイズや特注品の開発にまで踏み込んで対応してくれる企業こそが、真のパートナーと呼べます。

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